理解したい5つのこと
今回はよく聞く仮想通貨(暗号通貨)について解説をしたいと思います。
2017年に入ってから、ビットコインのレートは一時15万を超えました。
ニュースで取り上げられたり、次期大統領トランプ氏の当選により、ますます仮想通貨(暗号通貨)は注目を浴びています。
しかし、多くの人が仮想通貨(暗号通貨)について仕組みを理解しないまま、利用し、購入を検討または断念しています。
もしこの先、投資を検討されている方は、仮想通貨(暗号通貨)を理解した上で、投資することをおすすめします。
この記事を読み終える頃には、仮想通貨(暗号通貨)に対する理解を深めることができるはずです。
先ほどから、(暗号通貨)と出ていますが、意味として仮想通貨と全く同じです。
海外では仮想通貨ではなく、暗号通貨という名称が一般的です。
仮想というと実態がなく、怪しい印象を与えているのではないでしょうか?
人は未知なるものに遭遇すると、恐怖と危険を感じてしまいます。
仮想通貨(暗号通貨)の仕組みを理解した上で、危険なものか判断してみてください。
では、仮想通貨(暗号通貨)を理解するために必要な5つの項目を確認していきましょう。
※仮想通貨を世間一般に普及させたのはBitcoinのため、大部分がBitcoinの話しとなります。
・P2P
・ブロックチェーン
・マイニング
・秘密鍵
・ウォレット
これらは、仮想通貨のシステムを説明する上で、重要なキーワードとなります。
全部で5つありますが、前編では上の3つを解説し、後半では残り2つを解説していきます。
P2Pシステムについて
BTC(ビットコイン)は、お金として支払いが可能です。
正しい表現ではないですが、ビットコインは全世界で使用ができ、換金できるSuicaのようなものと、イメージしてみてください。
全世界を繋ぐお金であることがイメージできたのではないでしょうか。
では、ビットコインの所有している数や、所有者の情報、取引の内容は、どのようにして安全に守られているのでしょうか?
安全でなければ、コインが盗まれたり、情報の書き換えなどが起きて、通貨としての役割を果たすことはできません。
役割を果たすため、システムの核となる考え方である、P2P(Peer to Peer)について見ていきましょう。
ビットコインが分散して情報を保管しているといわれるのは、このP2Pでネットワークを構築しているからです。
P2Pを簡単にいうと、無数のパソコン(情報)に直接繋がることができる技術です。
全ての利用者が対等な関係であるため、情報を共有しやすいです。
少し、パソコンに詳しい人なら聞いたことがあるかもしれませんが、Winnyや、Bit Torrentなどを聞いたことはないでしょうか?
この二つのソフトは、どちらもP2Pという技術が使用されています。
現在もですが、多くのパソコンが、サーバーと呼ばれる大きなパソコンにアクセスをして、情報のやり取りをしています。
サーバーという絶対的な権力者に、アクセスを拒否されたらどうすることもできません。
例えば、誰かにメールを出すのも、どこかのサーバーを通して、メールが送信されています。
Gmailであれば、Googleのサーバーを通すことになりますね。
ほとんどのサービスがサーバーを通して提供されます。
そんな中、P2Pの発案者は、サーバーを通さないで、そのやり取りをおこなおうと考えました。
「サーバーをなくして、送りたい相手に直接メールを送ろう!」
「ブラウザを通さず、知りたい情報を共有したい」
…などなど
この画像のように、サーバーという中央機関を頼らず、対等な関係にある無数のPCと、情報のやり取りを直接可能にしたのが、このP2Pです。
この考えが生まれたときは、多くの衝撃を与えました。
しかし、より一層の衝撃を与えたのが、このビットコインです。
P2Pの形態をビットコインに採用しました。
すると、どうなるのか?
取引の情報は中央機関へアクセスせずに、個々のPCから取得することができます。
中央機関がないため、多くの人で取引を管理でき、よりダイレクトに情報と繋がることができます。
このP2Pは、サーバーの役割である銀行を通すことなく、送金相手へ直接取引をおこなうことが可能となる技術の1つです。
P2Pにより、ビットコインの目的である自由な経済活動を可能としました。
P2Pは、次のブロックチェーンに欠かせない技術になります。
ブロックチェーンについて
この「ブロックチェーン」は、先ほどのP2Pを利用した技術です。
ネットワークを利用しているパソコン全てに、取引の情報を記録させる分散型台帳システムです。
?が浮かぶと思いますが、しばらくご覧ください。
ブロックチェーンは、ビットコインだけではなく、多くの分野で使用されています。
従来通り、サーバーで莫大なデータを1つのところで管理している場合、サーバーがハッキング(クラッキング)され、情報を壊された場合、修復するのは難しいです。
ですが、複数のパソコンが同一の情報を管理している場合、そのうちの1つが破壊されても問題なく機能します。
多くのパソコンに、同一の取引情報を分散、保管させます。
分散して情報を記録するため、取引に関するデータがなくなるリスクが圧倒的に低いのです。
P2Pですので、ネットワークを利用している人は、誰でも平等な権限を持ち、その情報を見ることができます。
そのため、分散型台帳システムと呼ばれています。
では、なぜブロックチェーンと呼ばれ、どのように情報を記録しているのでしょうか?
ブロックといわれる既存のデータの上に、チェーン上に次々と情報を加えることから、ブロックチェーンと呼ばれています。
情報を上書きするのではなく、古い取引情報を残したまま、新しい情報(チェーン)を加えていきます。
チェーンには、ハッシュという値を含んでいて、このハッシュがあるため不正なデータの改ざん防止となっています。
もし、データを改ざんする場合には、膨大な量のチェーン全てのデータを変える必要があるため、不可能とされています。
取引データ(トランザクション)は、誰でも見ることができます。
万が一不正な情報があっても、多くの人が見ていますので、迅速に報告、改善がされます。
ブロックチェーンという新たなシステムを開発したビットコインは、セキュリティに強いとされています。
マイニングについて
「マイニング」というのは、採掘という意味です。
採掘作業といっても、ビットコインを探す訳ではなく、台帳へ記録をするために膨大な計算をします。
この発掘作業をおこなう人を「マイナー」と呼びます。
もし、悪意のあるハッカーが、台帳に記載されている取引の事実を改ざんして、コインを自分のものとすることが多発する場合、ビットコインのシステムは崩壊します。
そこで、このマイニングというシステムが、それを防ぐために働きます。
マイニングは、先ほどのブロックチェーンが関係しています。
ブロックチェーンは、過去の情報を維持したまま、新しい情報をチェーンのように加えていくと、先ほど説明しました。
取引の回数が増えるほど、データの整合性を合わせ、データを繋げる作業も労力を増します。
このデータをつなぎ合わせるマイニングを1番早く完成させた1人だけが、ビットコインを手にすることができます。
マイニングでビットコインを得るためには、他のマイナーと計算の競争をしなくてはなりません。
もしデータを改ざんする場合は、過去にさかのぼって、全てのデータを変更しなくてはなりません。
データの改ざんをしている間も、マイナーは、ビットコイン獲得のため、いち早く新しいブロック(取引情報)を加えます。
改ざん中に新しいブロックが繋がれると、改ざん行為は無駄に終わってしまうため、マイニングよりもよっぽど計算が大変です。
そのため、ハッカーなどは改ざんをしようとしません。
マイナーの働きにより、データの改ざんを抑止しているのです。
台帳の記録、システムの安全性を支えたことによる褒賞として、マイナーはビットコインを手にすることができます。
しかし、ここで疑問が出てくると思います。
この採掘作業は無限にできるのか?ということです。
答えはNoです。
ビットコインは、2100万枚と上限が決まっているのです。
2100万枚全てのコインを発掘するのには、あと100年以上かかるとされています。
年々と発掘されるコインは少なくなり、反比例のようなグラフを辿ります。
ビットコインが普及するほど、発掘する作業量は多く、貰えるコインの量も少なくなります。
しかし、利便性から年々と価値が高くなっていくため、労力の対価としては、大きな差はないと考えられています。
ビットコインのシステムを維持するのに、とても重要なのがこのマイニングです。
現在、記事をご覧になっているあなたもマイニングに参加することができますが、月日を追うごとに要求されるPCの性能が高くなっているので、一般の方の参加はとても敷居が高いです。
Bitcoinが有名になる前は、一般の方もマイニングに参加していて、そこそこBitを獲得していたと聞いています。
我々にはマイニングは、関係ないと思われがちですが、システムの公平性を保っているのは、マイナーであるので感謝ですね。
まとめ
いかがだったでしょう?
・P2P
・ブロックチェーン
・マイニング
今回はビットコインのシステムの中心となるこの3つのキーワードを学びました。
P2Pとブロックチェーンにより、多くの人が公平、安全に取引をおこなえるようなりました。
そして、マイニングにより、事実上改ざんをできなくさせ、セキュリティを向上させています。
聴きなれない言葉が多くあったと思いますが、ビットコインの仕組みが、少しでもわかっていただけたと思います。
このような技術で、取引を安全に守っています。
次回は後編ということで、秘密鍵とウォレットについて、解説していきたいと思います。
この2つは、私たちがビットコインを利用する上で、セキュリティ対策として知らなければいけないことです。
理解して安全に仮想通貨を利用しましょう。
次回も楽しみにしていてください。
では、またお会いしましょう。