ハードフォークの状況について
前回の記事では、スケーラビリティの問題に触れました。
その解決法の1つに、ハードフォークがあったと思います。
スケーラビリティの問題について分からない方は、以前のこちらの記事からご覧ください。
覚えているでしょうか?
ハードフォークとは、分岐の意味で、互換性のない、全く別のものへアップデートすることでした。
ハードフォークされることで、ビットコインは、BTC(Bitcoin Core)から、BTU(Bitcoin Unlimited)に分岐され、2種類になる可能性があります。
補足になりますが、BTUはスケーラビリティを解決するためにするハードフォークの種類の1つでしかありません。
ハードフォークは、スケーラビリティの問題だけではなく、今後問題があった時にされるかもしれません。
それは、発行枚数の2100万枚に関することなのか、またはトランザクションに関することなのか、それは分かりません。
BTU以外にも、スケーラビリティを解決する案は他にも種類があり、Bitcoin Classicや、Segwit+ブロックサイズの変更がパッケージになっている案などあります。
ハードフォークされる時は、この案だと一概に言えませんが、その中でも話題となっているBTUについて説明します。
先日、大手の取引所がスケーラビリティの問題に対する声明文を発表しました。
簡単に説明すると、ハードフォークは権利として当然ですが、今の状態でハードフォークすると、利用者に混乱を招く恐れがあるため、環境を整えてください。
混乱を招くことを取引所では容認できないため、ハードフォーク(ハッシュパワーによる)を強行してもBTUを取引所では認めません。
リプレイ攻撃対策など環境を整えて、ハードフォークをした場合、BTC、BTUそれぞれ区別して取り扱います。
とりあえず、リプレイ攻撃対策してから、出直して来やがれと言っております。
これは事実上、取引所がBTUに否定的な意見を持っていることが読み取れます。
当サイトで紹介しているCoincheckも、この声明に加わっております。
この声明により、ハードフォークの動きは弱まりましたが、今後の対応に注目が集まります。
ハードフォークされると、どんなメリットがあり、どんな危険性があるのでしょうか?
ハードフォーク(BTU)のメリット
・変更自体は簡単
・ブロックサイズの上限が上がる
・BTCより高い報酬を得られる(マイナー達)
BTUなどのハードフォークは、スケーラビリティを高くするため、ブロックサイズを上げるという対策をします。
変更自体はすぐにもおこなえるのですが、圧倒的な支持を得ていないため、プログラムが待機している状態です。
手始めに1Mバイトの制限を、2Mバイトに引き上げることが計画されています。
2倍の情報量を持てるようになるので、単純計算なら2倍となりますが、実際のところはそこまで高くはありません。
続いての利点ですが、データがより多くなれば、マイニングする際の計算量が多くなるので、マイナーの報酬が高くなるというものです。
マイナーにとってのメリットに過ぎません。
もう、お分かりだと思いますが、実をいうと利用者にあまりメリットがありません。
ブロックサイズを上げると、セキュリティが低くなると指摘されています。
利用者としては、問題なく決済サービスがつかえたり、資産としての価値が上がることを望んでいるため、ハードフォークの恩恵は少ないでしょう。
次に紹介するデメリットの方が大きいので、個人的にはBTUへハードフォークして欲しくありません。
ハードフォーク(BTU)のデメリット
・分岐するBTUにバク、脆弱性があり、セキュリティに不安がある
・BTCとBTUの2種類を手にすることになるが、資産価値が下がる可能性がある
・リプレイ攻撃で混乱が生じる
・BTUが紛失する可能性がある
BTUはバグや、脆弱性が発見されています。
バグや、脆弱性がある決済システムを解決案として出すのは、甚だ疑問ですが行方を見守るしかありません。
ハードフォーク時に、ビットコインの価値が2つ(BTCとBTU)に割り振られますが、脆弱性などがあることからBTUの価格が下がる可能性があります。
ハードフォーク後に、何か事件があれば価値が急落することも想定されます。
BTCの価値が上がればいいのですが、何のメリットもなく価格上昇はしないので、資産として少なくなる恐れがあることを覚えておいてください。
残り2つについては、注意点にて説明いたします。
ビットコインの利用者の多くは、ビットコインのシステムなど、基本的なことがわからず使用しているため、混乱を招くことは目に見えています。
ハードフォークを簡単に許してしますと、他のハードフォーク(上限枚数の変更など)も通りやすくなるため、このまま慎重に検討してくれることを望みます。
しかし、利用者の増加で取引が停止するまで、そう時間が残っていないのも事実のため難しい決断となりそうです。
ハードフォークされる時の注意点
前回、少しだけ説明をしましたが、ハードフォークする前に、BTCを持っていた場合、ハードフォーク後にはBTCと、BTUの2種類を手にすることになると説明しました。
これは、ハードフォークされる時に、自動的に変換されるので、作業をすることなく手にします。
しかし、ここで注意すべきことがあります。
ハードフォーク時に、取引所や、特定のウォレットに保管しておくと、仮想通貨が紛失する恐れがあります。
BTCとBTUへ分かれた時、取引所でどちらかの仮想通貨を扱っていない場合、一方の仮想通貨が失くなったり、勝手に売られて変換されたりする恐れがあります。
BTUに対応していないウォレットや、秘密鍵を自分で管理できないウォレットも同様です。
使用しているウォレット、各取引所の公式サイトから、ハードフォーク時の対応をチェックしましょう。
大手取引所は、ハードフォークされた場合は、しばらくの間取引ができなくなりますが、BTCとBTUの資産は守ることを声明している場合が多いです。
お使いのウォレット、取引所の声明をしっかりと確認してください。
ハードフォークされる時に、注意するべきことがもう1つあります。
リプレイ攻撃(Replay attack)という言葉をご存じでしょうか?
BTCと、BTUのそれぞれのコインが認識をされていない段階におこります。
ハードフォークされてからしばらくは、別の通貨として区別されていないため、1BTCだけ送ろうとしても、1BTUも勝手に送られてしまいます。
一般的に、この両方のコインが意図せず同時に送金されてしまうのが、リプレイ攻撃とういうものです。
イーサリアムが、ETH(Ethereum)からETC(Ethereum Classic)へハードフォークした際に、リプレイ攻撃があり大きな混乱が生じました。
次にこれらの混乱を防ぐ、対応策を紹介します。
ハードフォークの対応策
大手取引所も厳重に保管しているとは思いますが、必ず安全というわけでもありません。
自分の資産は自分で守る必要があります。
それには、秘密鍵がしっかりと守られていることが大切です。
具体的な対策は何か?
ハードウェアウォレットに保管することが、一番の対策であり、答えだと思います。
ハードフォーク後は、リプレイ攻撃もあるため、状況が落ち着くまで取引を控えて、ハードウェアウォレットに保管してください。
当サイトでは、TREZORをオススメしています。
TREZORについての説明は、次回の記事にて、仕組みや、購入方法などを紹介します。
まとめ
ハードフォークは大きな変更で、利用者の混乱を招きます。
取引所などが声明を出したことで、しばらくハードフォークされることはないかもしれませんが、可能性はゼロではないため、早めの対策が必要です。
ブロックサイズを上げることは、スケーラビリティの根本的な解決につながりますが、ビットコインの良さがなくなります。
対策としては、ハードフォークに対応するハードウェアウォレットを準備しましょう。
ハードフォークされた直後は、リプレイ攻撃などもあるため、取引をせず、ほとぼりが冷めるまで、ハードウェアウォレットに保管して下さい。
当サイトでは、TREZORをオススメしています。
次回は、最強のハードウェアウォレットTREZORについて解説します。
ハードフォークされると、価格にも大きな影響が出ると思うので、これからの動向をしっかりと見ていきましょう。
では、またお会いしましょう。